バスク地方で癒やしのひととき。温泉、スパ、そして美しい自然が織りなすウェルネス体験

海水、塩の恵み、ワインセラピーが叶える、バスクならではの上質なリラクゼーション

バスク地方では、美しい自然なしでは語ることのできない独自のウェルネス文化が育まれてきた。海岸沿いの海水、内陸部に湧く鉱泉、アニャーナ塩谷の天然塩水、さらにワインやオリーブオイルを取り入れたトリートメントなど、この土地ならではの自然の恵みを生かした癒やしが魅力だ。 歴史ある温泉施設やタラソテラピーセンター、感覚を刺激するスパが点在し、心と身体をゆっくりと解きほぐす滞在を提案している。リラクゼーション、健康、歴史・文化、そして美食が調和した、ゆったりとした時間を過ごせるのがバスク地方ならではの魅力である。 こうしたウェルネス文化の歴史は19世紀にさかのぼる。当時、海水浴が健康に良いとされ、サン・セバスティアンサラウツサントゥルツィポルトゥガレテゲチョレケイティオといった海辺の町には、多くの富裕層が保養に訪れるようになった。 当初は医療的な効能や社交の場として発展したこの文化は、時代とともに進化し、現在では休暇中に心身をリフレッシュしたい人々に向けた、より多彩で現代的なウェルネス体験へと広がっている。 ギプスコア県では、ラ・コンチャ湾に面したラ・ペルラが、サン・セバスティアンのベル・エポック時代の優雅な雰囲気を今に伝えている。タラソテラピー施設では、海を望むジャグジーをはじめ、さまざまな刺激を楽しめるウォーターサーキット、アイスファウンテン、プール、各種シャワーなどを備え、海水を活用した本格的なリラクゼーションを体験できる。 また、オリオにあるタラソ・ビジャ・アンティージャには、海辺に約1,500㎡の施設が広がり、6つのプール、25室のトリートメントルーム、フィットネスジム、リラクゼーションスペースを備えている。 さらに、スマイアセライ・タラソテラピーセンターは、ギプスコア県沿岸を代表するタラソテラピー施設の一つである。バスク海岸ジオパークの中心に位置し、イツルン海岸を見下ろす絶好のロケーションにあり、特徴的なフリッシュ地層が織りなす雄大な景観とともに、海洋療法を楽しむことができる。 施設には、33℃に保たれた広々とした海水温水プールをはじめ、滝状のウォータージェット、流水プール、海洋療法に特化したトリートメントセンターなどを備え、海の恵みを生かした多彩なウェルネス体験を提供している。

サン・セバスティアンのラ・ペルラのタラソテラピー施設は、年間363日営業。サウナやジャグジー、ジェットプール、ウォーターベッド、スチームバス、アイスファウンテンなど、多彩な設備を備えている。
サン・セバスティアンのラ・ペルラのタラソテラピー施設は、年間363日営業。サウナやジャグジー、ジェットプール、ウォーターベッド、スチームバス、アイスファウンテンなど、多彩な設備を備えている。 © La Perla

ギプスコア県には、このほかにも1804年創業のセストア温泉があり、歴史ある温泉施設として知られている。美しい庭園やクラシカルなグランドホテルに加え、最新のハイドロセラピー(水治療法)を取り入れた設備を備え、伝統と現代的なウェルネスを融合させた滞在を提供している。 サン・セバスティアンのミラモン地区に位置するアリマ・ホテル&スパも注目したい。厳格な環境性能基準「パッシブハウス(Passivhaus)」認証を取得したエコラグジュアリーホテルで、ウェルネスとサステナビリティを融合させた新しい滞在スタイルを提案している。館内のウェルネスエリアには赤外線サウナや瞑想スペースを備え、心身の健康と環境への配慮を両立させた総合的なウェルネス体験を楽しめる。 一方、ビスカヤ県では、歴史ある街並みや緑豊かな渓谷、最新のスパ施設など、多彩なスタイルのウェルネスを体験できる。 オルドゥニャのホテル・バルネアリオ・オルドゥニャ・プラサは、市街地中心部に建つ18世紀の新古典主義建築を利用したホテル。ムエラ・アルビエト源泉の鉱泉水を活用し、ダイナミックプール、水中ジェット、サウナ、ウェルネスセンターなどを備えている。 カランサ渓谷にあるテルマス・デ・モリナールでは、温泉プールや天然大理石の浴槽、スチームバス、吸入療法、足浴、泥療法などを通して、ゆったりとした癒やしの時間を過ごすことができる。 そのほかにも、アラティア渓谷のホテル・バルネアリオ・アレアツァ、バラカルドのQi Spa、ビルバオのSpa Miróなど、魅力的なウェルネス施設が点在している。 ビルバオ中心部のホテル内にあるスパ・ハルディネス・デ・アルビアは、市内最大級かつ歴史あるアーバンスパの一つだ。ハイドロサーマルサーキットにはジェットプール、トルコ式浴場、サウナ、温浴施設、足浴、温冷シャワーを備えるほか、美容・温泉トリートメント専用の施術ルームも充実している。 また、ゲチョでは、2024年に開業した5つ星ホテルホテル・パラシオ・アリルセ内のネグリ・スパが、新たなウェルネススポットとして注目を集めている。歴史ある宮殿を改装したホテルならではの優雅な空間で、最新の温浴サーキットと、一人ひとりに合わせたパーソナライズド・トリートメントによる上質なウェルネス体験を提供している。

ビルバオのスパ・ハルディネス・デ・アルビアでは、一人ひとりに合わせた丁寧なケアと高品質な製品、プロフェッショナルな技術を組み合わせ、心身ともに満たされるウェルネス体験を提供している。
ビルバオのスパ・ハルディネス・デ・アルビアでは、一人ひとりに合わせた丁寧なケアと高品質な製品、プロフェッショナルな技術を組み合わせ、心身ともに満たされるウェルネス体験を提供している。 © Spa Jardines de Albia

アラバ県では、ウェルネスツーリズムはさらに穏やかな魅力を持つ。「Álava, destino soft(穏やかな旅先、アラバ)」というコンセプトのもと、自然のリズムに身を委ね、小さな村々や文化的景観を巡りながら、日常の喧騒を離れて本来の自分を取り戻す旅を提案している。 リオハ・アラベサでは、マルケス・デ・リスカルのビノテラピー・スパ、ラ・グアルディアではワイン・オイル・スパ・ビジャが、ワインやオリーブオイルをはじめ、カラーセラピーや土地の恵みを生かしたトリートメントを通じて、この地域ならではのウェルネス体験を提供している。 また、アニャーナでは、バジェ・サラード(塩の谷)ソルト・スパで特別な癒やしを体験できる。7,000年以上の歴史を持つ塩田の文化的景観の中で、天然の塩水に手足を浸すユニークなウェルネスプログラムを楽しめる。 バスク地方のウェルネスツーリズムは、旅のスピードを少し緩めることを教えてくれる。深く呼吸し、水に身を委ね、その土地ならではの恵みを味わいながら、自然の力によって心と身体のバランスを取り戻す。そんな豊かな時間が、この地には流れている。 アクセス バスク地方はスペイン北部、カンタブリア海沿岸に位置し、フランスと国境を接している。カンタブリア州、カスティーリャ・イ・レオン州、ラ・リオハ州、ナバーラ州に隣接し、主要高速道路(AP-8、A-8、AP-1、A-1)のほか、ビルバオ空港、サン・セバスティアン(ドノスティア)空港、ビトリア空港を利用してアクセスできる。また、ビルバオ港や州都3都市の鉄道駅も整備されており、スペイン国内外からの交通の利便性に優れている。