テロワールから体験まで、ナバーラ州の包括的な提案

歴史あるワイナリーとエコプロジェクトが観光地としての競争力を強化

ナバーラ州は、多様な景観、ワイン造りの伝統、そして持続可能性への明確な取り組みを融合したエノツーリズムのモデルを確立してきた。歴史的遺産、異なる微気候、そして高い付加価値を持つ感覚的な体験を統合した提案を展開し、真正性や土地に根ざした物語、それぞれの土壌の個性を的確に表現するワインを生み出す生産者との直接的なつながりを求める旅行者を惹きつけている。 北の山岳地帯からエブロ川流域の平野にかけて、ティエラ・エステージャ、バルディサルベ、バハ・モンターニャ、リベラ・アルタ、リベラ・バハという5つのワイン生産地域が広がり、ナバーラ原産地呼称の独自性を形づくっている。9,000ヘクタールに及ぶブドウ畑は、多様なテロワールのショーケースとなっており、ガルナッチャ種がその中心的存在となっている。この品種は17世紀以来栽培されており、各地の土壌や微気候に適応しながら、伝統的なセニエ法によって造られる名物のロゼワインをはじめ、表現力豊かな赤ワイン、個性際立つ爽やかな白ワインを生み出してきた。 1980年代に始まった変革では、国際品種の導入と、原産地の尊重と品質を重視する新世代の生産者の登場により、ナバーラ州はスペイン国内および国際的なワインシーンで重要な地位を確立した。現在では、歴史あるワイナリーと現代的なプロジェクトが共存し、訪問そのものを総合的な体験へと高めるという共通のビジョンを掲げている。 ティエラ・エステージャ地域では、ナバーラ州におけるオーガニックワインの先駆者であるワイナリー、クアデルナ・ビアが、生物多様性を差別化要素として重視している。一方、エミリオ・バレリオは、ワイン、オリーブオイル、クラフトビールを一体的に楽しめる体験を提案している。

クアデルナ・ビアワイナリーの熟成樽。ぶどう畑は周囲の環境と相互に作用し、在来植物や生物とブドウ畑の共生により生物の多様性を取り入れている
クアデルナ・ビアワイナリーの熟成樽。ぶどう畑は周囲の環境と相互に作用し、在来植物や生物とブドウ畑の共生により生物の多様性を取り入れている © Turismo de Navarra | Marta Vidal

ソナ・メディアでは、6世紀にわたる歴史あるメンコス宮殿の当時の構造をそのまま残したワイナリーで、見学の最後には過去と現在を結びつける試飲が楽しめる。パンプローナ近郊では、ボデガ・オタスがフランスのシャトーに着想を得た建築と芸術を融合し、単一畑原産地呼称の認定を受けた存在として、ワインと文化が対話する物語を豊かな景観の中で展開している。 バハ・モンターニャ地域では、ミクロ区画や少量生産の取り組みが見られ、ボデガス・カウダリアはガルナッチャの多様性に焦点を当てている。一方、メンディコやアスペアは何十年にもわたり有機農業への取り組みを強化してきた。ウルバサ=アンディア山脈の麓に位置するレサウンでは、持続可能なブドウ栽培に加え、ブドウ畑を馬車で巡る体験や地元の食材を生かした料理を提供し、食の分野へと体験を広げている。 その結果として、修道院や城、峡谷、村々が一体となった地域が形成され、充実した旅程を組み立てられるルートが整備されている。ナバーラ州は単にワインを提供するだけでなく、土地そのもの、物語、そして訪れる人の記憶に残る体験を提供する場所である。 所在地ナバーラ自治州はスペイン北部、ピレネー山脈の西端に位置し、フランス、バスク州、ラ・リオハ州、アラゴン州と接している。主な道路アクセスは高速道路AP-15号線やA-15号線、A-21号線である。パンプローナ空港があり、鉄道駅はパンプローナとトゥデラに所在している。