マドリードのあまり知られていない美術館

マドリード州では、村や山あい、街の地区ごとに、文化の宝が息づき、芸術がこうして暮らしの中に生きている。

マドリード州は、驚きに満ちた、そしてあまり知られていない美術館を通じて、忘れがたい文化体験を提供している。そこには、パブロ・ピカソの名が記された美術作品のコレクションから王室の船舶まで、さらには映画や考古学、月面着陸にまで及ぶテーマを扱う施設がある。歴史ある村、手つかずの自然の中、そして首都の中心部など、どの場所の美術館も、この地域の遺産や科学、創造性を新しい視点から発見する招待状のような存在だ。 首都で最も魅力的な文化提案のひとつが「芸術のトライアングル」。プラド美術館、ソフィア王妃芸術センター、ティッセン=ボルネミッサ国立美術館の三館から成り、プラド通りの真ん中という特権的な立地にあり、美術史をめぐる唯一無二の旅へと誘ってくれる。 さらにマドリードには、どんな文化的散策も豊かにしてくれる個性あふれる美術館がそろっている。たとえば、当時の上流ブルジョワ階級の日常と風俗を再現するロマン主義美術館、旧邸宅に1万2,500点以上の作品を収蔵するラサロ・ガルディアーノ美術館、そして国立考古学博物館だ。その体験は、街の隅々に息づく文化の豊かさを物語る衣装博物館、セラルボ美術館、ソローリャ美術館、アメリカ博物館などによってさらに充実したものになる。

国立ロマン主義美術館のファサード
国立ロマン主義美術館のファサード © Museo del Romanticismo | Javier Rodríguez Barrera

学博物館があり、セルバンテスの生家では、16〜17世紀の家具や品々、そして『ドン・キホーテ』の作者にちなんださまざまな催しが訪れる人々を当時へと誘う。 アランフエスでは、王室の水運の歴史を物語る王室ガレー船博物館があり、かつてタホ川を行き来した船が並んでいる。芸術歴史地区に指定された街の闘牛場には、闘牛博物館が併設されている。 サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルには国王の馬車庫があり、18世紀の馬車や当時の職人技が今も残っている。 マドリード北部の山間部には、ブイトラゴ・デル・ロソーヤのピカソ美術館―エウヘニオ・アリアス・コレクションや、プエブラ・デ・ラ・シエラの「夢の谷」がある。ここは生物圏保護区の中にある野外彫刻ギャラリーだ。さらに「テリトリオ・ムセオ(博物館の土地)」という、昔の職業や風習、農村の記憶を守る8つの村を巡るルートもある。 シエラ・オエステのフレスネディージャス・デ・ラ・オリーバには月面探査や宇宙開発をテーマにした月博物館や、アートプロジェクト「命ある家」がある。 そして南東部のビジャレホ・デ・サルバネスでは、映画博物館や「カサ・テルシア」が訪れる人を驚かせ、コルメナール・デ・オレハには画家ウルピアーノ・チェカを讃える美術館がある。

映画博物館は、18世紀から19世紀の映画前史の時代を経て、無声映画時代(1895年〜1927年)、そして1927年から2000年までの映画業界における最新の技術革新に至るまでをたどる、唯一無二の体験
映画博物館は、18世紀から19世紀の映画前史の時代を経て、無声映画時代(1895年〜1927年)、そして1927年から2000年までの映画業界における最新の技術革新に至るまでをたどる、唯一無二の体験 © Museo del Cine, Colección Carlos Jiménez