星空の旅:訪れるべきスペインのスターライト保護区
特別な夜空をもつ観光地の存在で、スペインでは「アストロツーリズム(星空観光)」の注目度が高まっています。
ヨーロッパで最も澄んだ夜空の下で眠る──これは今や、公式に認定された観光体験です。スペインには、夜空の質が非常に高く、天体観測に最適な環境を持つ「スターライト・デスティネーション(Starlight Destinations)」が60ヶ所以上、そして「スターライト保護区(Starlight Reserves)」が17ヶ所存在します。2025年には6つの新たなエリアがこのネットワークに加わり、持続可能な観光の推進と地方の活性化に貢献しています。天文台や展望台、星空アクティビティが季節を問わず楽しめる観光資源となっています。
🔭 ラ・パルマ島(カナリア諸島)
カナリア諸島の北西端に位置するラ・パルマ島のタブリエンテ火口国立公園は、スペインで初めて「スターライト観光地」および「保護区」の両方の認定を受けた地域です。光害防止条例により守られた夜空は世界的にも評価されており、星空観光の聖地として知られています。最先端の「ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台」や、夜間・昼間の観測体験、星空写真撮影、ガイド付きツアーなど、科学・持続可能性・風景を融合した充実の体験ができます。🌌 シエラ・モレナ(アンダルシア州)
ウエルバ、セビージャ、コルドバ、ハエンの各県にまたがるこの地域は、世界最大のスターライト保護区(約40万ヘクタール)です。57の自治体と6つの自然公園で構成され、質の高い夜空の下で本格的な天体観測が可能。地域をあげて取り組む観光モデルは、環境保護と地域経済への波及効果を両立しています。🌠 モンセック山地(カタルーニャ州)
この地は国際的にその夜空の質で認められています。「モンセック天文公園」では、望遠鏡観測やデジタルプラネタリウムを使った没入型の体験が提供されており、科学教育の拠点としても機能しています。星空観察と風景を組み合わせたルートや、子ども向けの体験型学習プログラムも充実。
モンセック山地では、ピンク色のオーロラのような夜景も見られることがあります
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