スペインでバリアフリーな宿泊施設が多い主要な目的地

バリアフリー観光が存在感を増し、質が高く競争力のある価格のアクセシブルな目的地が注目されている。

スペインでは、よりインクルーシブで競争力があり、旅行者の実際のニーズに合った提供を目指す目的地が増えており、アクセシブル・ツーリズム(バリアフリー観光)が着実に前進している。エクストレマドゥーラ州バスク州アラゴン州ガリシア州などの自治州は、バリアフリー対応の宿泊施設が多く、顧客満足度が高く、価格も魅力的で、すべての人に優しいホスピタリティのモデルとして注目されている。 バレンシアで開催された第4回TUR4All会議で、Mabrianが発表した調査では、スペイン国内の状況が詳しく示された。この報告書はオープンデータと標準化された基準(DALCO、UNE 170001)に基づいており、アクセシビリティは依然として課題であるものの、改善に向けた小さな前進が続いていることがわかる。 スペインでアクセシブル宿泊施設の提供が多い自治州としては、バレンシア州、バスク州、カンタブリア州、ガリシア州が挙げられる。割合で見ると、エクストレマドゥーラ州がホテルや観光宿泊施設全体に占める割合で最も高く(10.1%)、次いでバスク州、マドリード州、アラゴン州(いずれも9.6%)、ムルシア州(5.6%)、バレンシア州とバレアレス諸島(5.8%)、ガリシア州(4.8%)、カタルーニャ州(4.6%)となっている。

スペインのさまざまなホテルでは、移動に制限のある人がプールを利用しやすくするために、水中リフトなどの設備をすでに整えている。
スペインのさまざまなホテルでは、移動に制限のある人がプールを利用しやすくするために、水中リフトなどの設備をすでに整えている。 © Shutterstock

物理的なバリアが少ない宿泊施設ほど一泊あたりの料金は高くなる傾向があるが、バリアフリー対応のホテルと観光客向け宿泊施設の料金には大きな差はない。満足度指数はアクセシビリティと連動しており、適応されたスペースが多いほど評価も高くなる。 バリアフリーな観光体験においてもう一つ重要なのが公共交通機関のアクセシビリティで、2024年のアクセシビリティ認知指数は100点満点中78.8点と非常に良好だった。観光名所についても100点満点中73.4点と比較的良い結果となった。 「これら両方の認知指数の結果から、スペインがバリアフリー観光地として良いポジションにあることが示されている」とMabrianは強調している。